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吉井 賢資; 馬場 祐治; 佐々木 貞吉
Photon Factory Activity Report 1997, P. 421, 1997/00
4d金属(Nb,Mo)及びその酸化物(MoO,YO,ZrO,NbO,MoO)におけるLMM共鳴オージェ過程について調べたところ以下の結果を得た。(1)いずれの物質ともL吸収端付近でオージェピークが光のエネルギーに比例して変化する。(2)絶縁体(YO,ZrO,NbO,MoO)でのみ、オージェピークがスペクテータとノーマルの2本に分裂する。以上、(1)については共鳴ラマン散乱として知られている現象との関連で、また(2)については伝導帯のエネルギー構造と関連において議論する。
馬場 祐治; 関口 哲弘
Photon Factory Activity Report 1997, P. 91, 1997/00
固体表面に吸着した分子の光化学反応の動的課程は、吸着分子と基板表面の相互作用に依存する。そこで本研究では、CCl分子を電子物性が大きく異なる金属(Cu),半導体(Si)及び絶縁体(SiO)表面に単層物理吸着させ、Cl 1s励起によるフラグメントイオンの脱離過程を調べた。Cu及びSi表面では、Cl 1s電子励起による脱離イオン種はClのみであったが、SiO表面からはCClなどの分子イオンの脱離も認められた。これはCClイオンの移動速度が遅いため、金属及び半導体表面では表面における伝導電子の遮蔽効果(スクリーニング効果)により励起状態またはイオン化状態が脱離前に消失してしまうためと結論した。
矢板 毅; 成田 弘一*; 鈴木 伸一; 塩飽 秀啓; 本橋 治彦; 大野 英雄; 宇佐美 徳子*; 小林 克己*
Photon Factory Activity Report 1997, P. 81, 1997/00
ウラン(VI)、トリウム(IV)-アミド(N,N-dihexyl-2-ethylhexanamide:DH2EHA,N,N-dihexyl-3-ethylhexanamide:DH3EHA)あるいはTBP錯体のアルコール溶液中での錯体構造をXAFS法により明らかにした。得られた動径構造関数は、おもにウラニルイオンの軸方向の酸素及び配位子及び硝酸イオンの酸素のピークなどからなることが分かった。アミド化合物の配位酸素のウランとの原子間距離において、DH2EHAとの錯体は、DH3EHAとの錯体より短いことが明らかになった。このことは、原子間距離は配位サイト近傍での立体障害より配位酸素のドナー性に依存することを表している。またTBP錯体は、第一配位圏においてDH3EHA錯体と類似した構造をとるが、第二配位圏より外の中距離構造は見いだされなかった。